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山本純平の思考のメモ。

【死なないラジオ】「お久しぶりです」と言われたのに誰かわからない。そんな小さな災害のリスクマネジメント

2026.06.15

  • #Podcast
  • #防災DX
  • リスクマネジメント
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「お久しぶりです!」

この一言に、心拍数が上がったことがある人は、たぶん少なくないはずです。
しかも厄介なのは、相手は当然こちらが自分を覚えている前提で話しかけてくることです。

笑顔は作れる。会話もつなげられる。
でも、頭の中では警報が鳴っている。
——この人、誰だっけ。

今回『死なないラジオ』で扱ったのは、そんな一見どうでもよさそうで、でも社会人にとってはかなり切実なテーマです。
題して、「『お久しぶりです』と言われたけど、誰かわからない時のリスクマネジメント」

ふざけているように見えるかもしれません。
でも私は、こういう“日常の小さな有事”をどう切り抜けるかの中に、防災やリスクマネジメントの本質があると思っています。

これはただの気まずさではなく、人間関係のライフライン障害

このテーマを防災っぽく言い換えるなら、人間関係のライフライン障害です。

顔と名前と所属が一致しない。
それだけで、会話は一気に不安定になります。
相手との距離感を測れないし、どこまで踏み込んでいいのかもわからない。下手をすると、その一瞬で信頼を落とすこともある。

災害時もそうですが、本当に怖いのは“何が起きたか”だけではありません。
その場で状況を正しく把握できず、判断を誤ることです。

「お久しぶりです」問題も、まさにそれです。
小さいけれど、確実に起こる。
しかも、だいたい準備していない時に来る。だから私は、これをかなり真面目に“有事”だと思っています。

初動で大事なのは、とにかく動かないこと

こういう時、最初にやりがちなのが、気まずさに耐えられずその場を動いてしまうことです。
でも、これは危ない。

私がまずおすすめしたいのは、笑顔のまま、その場から動かないことです。

地震の時に慌てて外へ飛び出すと危ないのと同じで、この場面でも焦って動くと、相手の情報を引き出すチャンスを失います。
落ち着いて、その場にとどまる。
まずは状況確認。初動対応の基本です。

防災でも仕事でもそうですが、有事に強い人は、派手に動く人ではなく、最初の数秒で崩れない人です。

最強の備えは、結局のところ「名刺」です

番組の中で、この場面で持つべき“武器”として、私は名刺を挙げました。

少しアナログに聞こえるかもしれません。
でも、かなり実用的です。

なぜかというと、名刺は単なる紙ではなく、情報を引き出すトリガーだからです。
自分の名刺を渡せば、相手も自然に返してくれる。
その瞬間に、名前、所属、連絡先という重要情報が一気に回収できます。

しかも、名刺交換には時間が生まれます。
名刺入れを出して、渡して、受け取って、確認する。
この数秒があるだけで、頭の中の記憶がつながることがある。

私はこういう場面でも、防災と同じことを感じます。
役に立つのは、未来っぽい道具より、いざという時に確実に機能する備えです。

情報収集は、近くの同僚より本人から

もし名刺がない。
つまり“備蓄ゼロ”の状態だったらどうするか。

ここで大事なのは、出所の怪しい情報に飛びつかないことです。
近くの同僚に「あの人、誰だっけ?」と小声で聞きたくなる気持ちはわかります。
でも、それは災害時に噂話を信じるのとあまり変わりません。意外と間違っています。

こういう時に使えるのが、オープンクエスチョンです。
「最近どうですか?」
「お仕事の方はいかがですか?」

二択ではなく、開いた質問を投げる。
すると相手が、自分から所属や近況を話してくれる。
これは会話術というより、立派な情報収集です。防災の現場でも、課題把握の場面では同じ発想を使います。

DXで全部解決しそうで、しないのもまた現実

もちろん、デジタルで補助する方法もあります。
スマホの連絡先に、「会った日付」「会った場所」「仕事内容」を残しておく。これはかなり有効です。
災害対応でいうクロノロジー、つまり時系列の記録と同じ考え方です。

ただし、テクノロジーは万能ではありません。
AI顔認識やスマートグラスのような方法も技術的にはありえますが、現実には“その場でそれをやる失礼さ”という別のリスクが発生します。

便利さの裏には、必ず別のリスクがある。
この感覚は、防災DXでもすごく大事です。
さらに言えば、記録に余計な悪口を書かないこと。残すのは事実だけ。評価は脳内で十分です。

まとめ

「お久しぶりです」と言われたのに、誰かわからない。
たったそれだけのことなのに、人は驚くほど冷静さを失います。

だからこそ面白いし、だからこそ学べる。
防災やリスクマネジメントは、何も大きな災害のためだけにあるわけではありません。
日常の中にある、ちょっとした混乱や判断ミスの芽をどう扱うか。そこにも、ちゃんと生きた知恵があります。

名刺を持つ。
その場で動かない。
本人から情報を取る。
記録は事実ベースで残す。

やっていることは地味です。
でも、有事を乗り切る方法は、たいてい地味です。

派手な正解より、使える対策。
私はこれからも、そんな“ちょっと変なテーマを、ちゃんと真面目に考える防災”を発信していきたいと思っています。

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